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S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーZX

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1984年1月3日、僕は前日夜から祖父母宅を訪れていました。お年玉ももらい、近所の玩具店が開くのを今や遅しと待っていた頃に、祖父だったか母だったかが、「仮面ライダーがやってるよ」とテレビをつけてくれたんです。始まったのは、「10号誕生!仮面ライダー全員集合!!」。仮面ライダーZXが主役を張ってテレビに登場する、たった1回きりの放送でした。

貴重な姿を目に焼き付けた

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーZX

仮面ライダーZX(ゼクロス)は、諸事情でテレビ放映がかなわず、少年向け雑誌のグラビアで展開していた仮面ライダーです。記念すべき10人目のライダーが雑誌のみの露出とは寂しい話ですが、ともあれ1年あまりの掲載の後に各方面の願いが結実、ようやくテレビで登場したのがこの日の特番でした。
当時の僕がZXの存在をすでに知っていたかどうかは覚えていません。ただ、貴重なこの1回限りの放送を見逃すことがなかったのは幸運。ライダー全員集合の貴重な画に興奮したのを覚えています。

99%が改造済みという、全身これ武具の塊といった設定は、前作「スーパー1」に匹敵するメカニカルさ。手裏剣や鎖鎌を思わせる武器を扱い、「忍者ライダー」という和風の異名を持つ辺りも、少林寺拳法を扱う先代を引き継いだかのような印象です。かように設定そのものは当時の子供の喜びそうな内容を詰め込んだ色合いが強いわけですが、外見のほうは充分に個性的。胴体にシルバーを持ってきたところも先代譲りなものの、それ以外を鮮烈な赤で統一。そこに差し色として緑を追加。しかも全身が左右非対称。ここまでやりながら不思議と「やりすぎ感」がないのは、そのバランスが絶妙だからに他なりません。

手放しで喜びたいのが本音だけれど

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーZX

さて、まずは可動について。ZXならではというところで気になるのは、やはり肩というか、腕の可動域が狭さです。体を右にひねり、右手を右斜め上へ、左手を右斜め下へ伸ばすのがZXの名乗りのポーズ。それが、左手が胴体の前に回らないせいで、再現できません。これはなんとも残念なところ。

各方面のレヴューで指摘されていた品質管理の問題、ことに塗装に関しては、手元の商品は幸い問題ありませんでした。ただ、「マフラー」と「ベルトのバックル」のポロリはすさまじく、差し込んであるというよりは「触れている」レベル。立たせているだけで、重力に負けて落ちます。これはハズレを引いたのかもしれません。

全体的な造形はなかなか高いレベルだと思います。スラリとした佇まいはカッコいい。ただ、「ZXらしい」かというと、少し違う気がします。あのボテッとした胸のスーツの野暮ったさとか、仰ぎ気味の表情とか、そういったところまでが洗練されてしまって、ZXの面影からは離れてしまいました。

中でも顔は、個人的に強い違和感を感じます。口が小さいのか、あるいは目の位置が少々下なのか……パーツが中心に寄っている印象で、額が広く見える。実写というよりは、コミックで見たことあるような顔つきになっています。写真を撮っていても、「テレビで目に焼き付けたあのZX」がついぞ呼び起こされてこなかったのが、なんとも残念でした。

「出ただけでありがたい」と言うのも記念すべき10号ライダーには失礼でしょうから、ここは真骨彫での再登場を願いたいところですね。昭和ライダーに、そのチャンスは巡ってくるのか……?

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