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S.H.モンスターアーツ ゴジラ1995

「VSビオランテ」でゴジラに目覚めゴジラ好きを自認、「VSキングギドラ」以降毎年公開される「VSシリーズ」に興奮するうち時は流れて、95年、いよいよ「ゴジラ死す」と銘打たれた映画を迎えることとなりました。現在進行形のゴジラが終わる…。映画のラストに「特報」が流れ、夏には雑誌に撮影中の記事が載り、年の暮れには公開されるというサイクルを4年過ごしてきましたから、私にとってもそれはひとつの時代の終わりでした。
とは言え、「VSビオランテ」のミリタリー色の強い作風や緊張感に満ちた展開が好きだった私にとっては、作品を重ねるほどファンタジー色が強くなっていくシリーズに違和感を感じていたのも事実。この映画が公開される前に「ガメラ 大怪獣空中決戦」が公開され、特撮の飢餓感がなかったのも、これまた事実。そして一度断絶したシリーズが再開されるのは、歴史が証明している。結果として、とても冷静に最後の作品を迎えられたと記憶しています。
事前情報では、第一作を意識したオキシジェン・デストロイヤー絡みのストーリーや、大森一樹さんの脚本復帰、スーパーXIIIの登場、シリーズを総括するかのようなゲスト俳優陣など、「分かってる」感を前面に出した要素の数々。期待しなかった訳ではありません。ただ、その要素をまとめてみても、一年に一本という制作ペースが生んだ疲弊や、悪い意味での慣れのような感覚は払拭できなかったように思います。
ただ、真っ赤に燃えるゴジラが昇天するラストシーン。これは素晴らしかった。仁王立ちして、空に咆哮するゴジラ。そのゴジラに砲撃を止めない戦車郡。その標的に満ちる、冷凍弾の飛沫と昇華するゴジラの破片。無音の映像に、優しく流れる伊福部音楽。ゴジラの最期を描くのが「VSデストロイア」の意義だったなら、これほど完成された映画もないように思います。

鬼気迫るゴジラがここに。

S.H.モンスターアーツ ゴジラ1995

さてその「最期」のゴジラを再現したこのフィギュアですが、これもやはりまた、素晴らしいと言えます。技術があれば、体中から立ち上る白い湯気を合成したいくらいに劇中の雰囲気を眼前に持ってきてくれました。
見た目はゴジラとしては特殊なものですが、このシリーズのゴジラのリニューアル版とも取れるくらい、第一弾となった通称「モゲゴジ」からの改善点が多々見られます。それは造形はもちろん、可動範囲や塗装などまで。 気になるのはやはり目でしょうか。「モゲゴジ」は特に目の塗装で批判を浴びましたが、これはその目が赤く発光して目立つデザインでありながら、非常に力強い視線になっており、改善が見られます。ただ、オレンジの虹彩が輪のように光る劇中と較べると、ちょっと違う感じではありますけどね。
全身の至るところにクリア樹脂を使い、体をマグマが流れるような表現がされています。撮影用スーツは重量100kgを超えたと言いますが、本フィギュアもボリュームアップしており、劇中の迫力と強さと合わせて、その重さもが伝わってくるようです。

この先にあるもの…。

S.H.モンスターアーツ ゴジラ1995

劇中のゴジラは、鬼気迫るものがありました。
核爆弾となった自らの体を引きずりながら、何かに導かれるように東京に上陸する。かつてゴジラの息の根を止めたオキシジェン・デストロイヤーの化身が眼前に立ちはだかる。しかし、悪魔のような姿のそのデストロイアでさえ、ただの障害物に過ぎない。デストロイアがなんとか一矢報いても、ゴジラの歩みは止められない。挙句、自らを生み出した遠い母である人間に止めを刺され、デストロイアが騒々しい舞台から引きずり下ろされたとき、ついにゴジラの歩みは止まるのです。第一作で人間の生み出した化学兵器に葬られたゴジラは、時を越えてもはや人間の手に負える存在ではなくなり、神に赦されたかのごとく自ら昇華していきました。
あの荘厳な、ゴジラの最期。あれはシリーズの「終わらせ方」としては個人的に最高のものだったし、感動できる映像でした。あの頃の自分がこのフィギュアを手にしていたら、映像を思い出して震えたことでしょう。ただ、時は流れてしまった。ゴジラが別の顔をして蘇り、そしてもう一度スクリーンの向こうに消えてしまうくらいに。
「VSシリーズ」が自分の期待とは違う方向に進んでいった先の、ゴジラの最期。その感動は、「ゴジラすごい、ゴジラかっこいい!」と興奮した原初の記憶にやっぱり勝てない。「VSビオランテ」のゴジラ、通称「ビオゴジ」を今の技術で形にしてほしい。それを触ったときの感動は、たぶん私にとってはどのキャラクターのフィギュアにも勝るものだと思うんです。ゴジラの可動フィギュアが素晴らしく進化し、ビオランテの発売が実現した今、対峙するゴジラの登場を首を長くして待っています。

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