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S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack RX

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「仮面ライダーBlack」の翌年、「仮面ライダーBlack RX」の放送が始まりました。主役の南光太郎はそのままに、そのほかの登場人物とライダーの容姿を一新したという異色の続編。「Black」は好きだったものの、全く新しい仮面ライダーの登場を期待していただけに、拍子抜けしたのを覚えています。しかも、第1話が途中から「ギャバン」の魔空空間のようなイメージシーンの連続になって、なんだかよく分からない。二人のお姉さんたちがどうなったのかも分からないままだし、そうかと思えば小太りの生意気な子供がやたらと前に出てくる。初見の感想もこれまたいいものではありませんでした。
しかしこの作品はとてつもないパワーを持っていたんだと、後になって分かるのです。敵の組織「クライシス帝国」は怪物からロボットまでバラエティに富んだキャラクターをそろえていましたが、立ち向かうRXのほうはリボルケイン(突き刺す杖)やライドロン(車)といった掟破りの装備に、ロボライダーやバイオライダーという第二・第三の形態も備えた卑怯とも言える豪華さ。そこに前作の孤独な悲壮感はなく、悪を蹴散らす爽快感があるばかりでした。切れのいいポーズを決めて変身、悪を前にして大見得を切り、一度は窮地に陥りながらもBGMが変われば大逆転、最後は堂々と勝ってみせる頼もしさ。時代劇の東映、ここにあり。
RXは、子供が「カッコいい」と思うものをこれでもか!これでもか!とぶつけてくる、感性に訴えるライダーだったのです。

モチーフはショウリョウバッタ。

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack RX

RXになって作風が変わった、それはそうなんですが、何よりも変わったのはその容姿です。BlackからRXへパワーアップしたという前提ながら、全く違うシルエットを持つデザインに変わりました。しかしそこには、きっちりと共通性があるようにも思えます。
Blackは原点回帰をテーマに作られただけに、顔のデザインは1号ライダーをお手本にした「仮面ライダー」の王道。そこに、「バッタの怪人」としての生物感を加味したものでした。RXもまた、「仮面ライダー」としてのアイコンと「バッタの怪人」という要素をBlackと違う手法で兼ね備えているようです。

まず「仮面ライダー」としての要素は、やはりその大きな目でしょう。顔の半分以上を占める大きくて真っ赤な目はデザイン上のポイント。その周りをシルバーの縁取りが囲み、それが触角と一体になることで、「仮面ライダー」としてのアイコンを形成しています。
目の周囲に要素が多い一方で、口のほうは控えめなデザイン。防菌の布製マスクをつけたような扇形のエリアに、縦のモールドが添えてあるだけです。確かに、この大きな目の下に凝った口をつけてもうるさいだけかもしれませんし、視聴者の視線を大きな目の方に集中させたい狙いもあったのかもしれません。

そして「バッタの怪人」としての要素は、顔ではなく後頭部から肩にかけての特異なライン。襟足というか首というか、肩から頭に掛けて蛇腹がつながってるようなデザインになっています。これが、横から見たときに人間らしいシルエットを壊し、バッタを想起させるための工夫。RXのモチーフは「ショウリョウバッタ」だと言われていますが(Blackはトノサマバッタらしい)、頭のてっぺんから背中へと伸びるラインは、まさにあのシャープなバッタそのものです。Blackではスーツの表面処理や肘・ひざの関節部分でバッタっぽさを出していましたが、RXはそういった具体的なものではなく、全体のシルエットで表現しているということなんですね。

Blackと同じ要素を持ちながら、モチーフと表現手法を変えることで個性的なデザインを実現したRX。しかし極端に大きな目と人間離れしたシルエットは絶妙なバランスでまとめられ、正統派のカッコよさを持つライダーになっていると思います。

聞こえてくる倉田てつをボイス。

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack RX

さてその絶妙なバランスですが、それはこのデザインを何らかの形で再現するときももちろん必要になります。イラストだったり、立体化だったりするわけですが、いかんせんバランスが絶妙であるがゆえに、残念な結果に終わることも多いように思います。

バランスを崩してしまう箇所は様々です。目と口のバランスだったり、後頭部と襟足が上手くラインになっていなかったりとか……。個人的に気になってしまうのは、目の周りのシルバーの縁取り。ここが太いとどうも安っぽく、おもちゃっぽく見えてしまうように思います。顔の面積に対する銀色の配分の加減でしょうか。フィギュアーツで最初に出たRX(2009年発売版)もそうでした。スタイルは(当時的には)頑張ってるのに、縁取りがいやに太く、アイシャドウみたいに見えてしまってましたね……。フィギュアとなるとどうしても小さくなるので、縁取りを細く塗装するにも限界があるんだろうとは思いますが、この2代目RXでもまだ太い。さらなる進化版のRXが出ることを期待しています。

進化版といえば、可動範囲のさらなる進化も期待したいところ。RXはジャンプの前に地面を叩く動作が印象的ですが、現状、そのポージングを取らせるのはやはり難しい。それが実現できるようになれば、同時にバイクに乗るポーズももっと自然になるでしょう。それはもう、素材から変えないといけないのかもしれませんね。

ただ、可動に関しては正直欲張り過ぎで、このRXはすでにシルバーの縁取り以外の部分には満点を差し上げたいデキです。全体のシルエットは違和感なくまとまっているし、バランスも申し分なし。特に指先の表情が秀逸で、岡元次郎さん(スーツアクター)の演技がリアルによみがえります。ファインダー越しに見るRXが、今にも倉田てつをボイスでしゃべりそうに見えました。

つくづく、いい時代に大人をやってたもんだなどと思ってしまいましたよ。

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