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S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack

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僕はそのとき、近所の中学校の校庭にいました。1987年10月4日(日)、地元の地域運動会の日。朝から参加していた僕は、ある時刻が近づくと慌てて学校を後にしました。ダッシュで家に帰ってテレビの前に着席。見届けたのは、「仮面ライダーBlack」の初回放送でした。
数年ぶりに再開される仮面ライダーの新シリーズ。これの前のシリーズにあたる「仮面ライダースーパー1」は物心つくかどうかの頃にやっていたものなので、第一話から目に焼き付けることのできる幸運に、運動会なんかそっちのけ、僕は興奮していました。果たして始まった新しい仮面ライダーは、僕の心を鷲づかみにしたんです。バブル時代の東京を舞台に、辛い宿命を背負った黒い戦士が武器に頼らず格闘し、世界の脅威を人知れず駆逐していく物語。それまでのシリーズから少しだけアダルトな雰囲気が増した世界観や、不気味な怪人たち、子供に媚びない主題歌と音楽など、すみずみまでハードなカッコよさに満ちていました。何より変身ポーズや決めポーズの切れのよさが印象に残り、徒手空拳でもこれだけ頼もしいヒーローがいるんだと、心震えたものです。

イメージ補正ほとんど不要!

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack

意識的に初回放送から観た、初めての仮面ライダー。Blackはいわゆる僕にとっての「仮面ライダー」です。だからもちろん、S.H.フィギュアーツで初期の頃に出ていた旧版(Amazon にリンク)も買いました。が、あの頃の商品は実写に似せるというよりは、フィギュアーツの素体にBlackの意匠を加える……といったコンセプトだったの かもしれません。似てる似てないというよりは、間接を隠そうともしないようなオモチャっぽいつくりでした。あれはあれでアリなんだとも思いますが、大 人になってしまった僕にはもはや実写の姿を夢想するだけの想像力が残ってませんでした。ということで待ち望んでいたのがこのリニューアル版。そして、我が 家の旧版は晴れてお役御免、大事にしてくれる方の元へとドナドナ……。

しかしどうでしょう、このBlack。なんと言うか、倉田てつをさんの声が聞こえてくるようです。僕らが見ていた実写のBlackにかなり近づいたと言えるでしょう。スタイルは申し分ありません。ちょっとだけスタイリッシュになったでしょうか。それはまぁ、同シリーズ全般に言えることでしょうし。ただ、顔に微妙な違和感を感じるのは事実。
Blackの顔のデザインは、シンプルだけれどもバランスが難しいようで、フィギュアーツの旧版しかり、これまでの立体化の例でも出来不出来の差が激しく出る印象があります。このリニューアル版は当然出来のいい部類に入りますが、あと一歩という感もあります。どうも正面から見たときに違和感が顕著に出てくる気がするんですが、う~ん、目が心持ち小さいんですかねぇ……。あるいは、複眼が目の奥に作られているため、輪郭が影になって目が小さく見えるのかもしれません。惜しい、惜しいなぁ。

しかし最後の壁が大きいのかも。

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBlack

仮面ライダーBlack、そして続編のBlack RXは、なんと言ってもキビキビとした決めポーズがカッコいい。それが再現できなければアクションフィギュアとしては満足できません。今回のこのフィギュア、かなりイイ線まで行っていると思います。変身がらみのポーズは問題なく再現可能。手の表情なんて実に微妙な形を再現していて、岡元次郎感が出てる。肩越しや腕越しのアングルになると、敵の強さにうろたえるBlackの感じが伝わってきて、グッときます。そうなんですよ、表情の変わらないマスクで感情を表現するには、手足の振る舞いで表情を出すしかないんです。静止したフィギュアでそれを実現するには、手足に表情をつけておく必要があります。今回、Blackには両手合わせて10個の手のパーツが付いてまして、その点もほぼ問題ありません。ただ、指先をまっすぐ伸ばした平手だけは、ちょっと無表情に見えます。これを付けると急にオモチャっぽさが出てくる。ほかに平手ってどう作るんだ、という気もしますが、そこはひと工夫欲しかったところです。

あと、せっかくバイクを出すんだから、ちゃんと乗れるようにしてくれ、というのはありますね。各所で散々言われてますが。もちろん、人間の皮膚と違ってフィギュアの表面は固いんだから、無理のある姿勢が取らせられないのは分かります。なら、例えばバイクのほうでシートなどに乗降時のオプションパーツを用意するとかなんかできなかったものか……。フィギュア単体では実写の姿を妄想して、バイクに乗せた途端にオモチャの現実を見せつけられる。Blackの放送から27年、テレビの中のヒーローがそっくりそのまま手元にやってくるには、あと少しだけ時間が要りそうです。

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