かけ離れた玩具。

玩具という面でも、恵まれなかったかもしれません。トランスフォーマーの玩具展開において初期に発売されたそれは、人型ロボットというにはちょっとアンバランスな体型をしていました。腰にあたる部分がなく、また腕が膝ぐらいまでの長さになっていて、アニメの姿とはかけ離れたビジュアル。正直なところ、当時の僕もとてもカッコいいとは思えず、欲しいと思うことすらなかったと記憶しています。アイアンハイドやラチェットの例もありますが、なぜ玩具の出来がいいとは言えなかったキャラを、ああまでメインの配役に据えてしまったのか……。おかげで僕ら当時の子供達はアニメと玩具のあまりの違いに戸惑うばかりだったわけですが、こればかりは今でもよくわからないままです。
ただ、ホイルジャックというのは人気キャラクターですから、その後もいくつかのアニメシリーズで同名のキャラクターが登場し、その都度商品化されていったようです。その頃は僕も玩具から離れていた時代だったのでリアルタイムでは知らなかったんですが、当然、その作品ごとに応じたアレンジがなされ、僕が知ってる「あのホイルジャック」は長らく立体化されないままでした。

ついにあのホイルジャックが。

そしてついに、マスターピースでホイルジャックが登場するということになりました。これは正直なところ、あのアニメのホイルジャックの初の商品化と言っても差し支えないんじゃないかと思います。僕らが子供の頃は、アニメの姿と玩具が違うというのは当たり前でした。しかし、それにしたって違い過ぎたホイルジャック。30年の時を経て、あのアニメでの親近感あふれるキャラクター・ホイルジャックがこの手の中にやってきました。おっさんになったからこそ実ることもあるんだなぁと感慨深い。よく言う、「小さい頃の自分に教えてあげたい」、その心境です。

出来もまた、素晴らしい。最初の玩具であれだけ無理があったロボットモードを、破たんなく実現しています。それでいて、各部がかっちりとした出来で、変形に危なっかしいところがない。大きめのパーツを小気味よく動かせる、いじっていて楽しい変形トイにもなっています。ここら辺、これまでのカーロボット勢と比べても、一番安定感のある造りなんじゃないでしょうか。

よく見ればロボットとして普通にカッコいいホイルジャック。そして、ビークルモードのランチアストラトスターボも、シャープで実にカッコいい車です。それでも彼のキャラクターは三枚目。何度も失敗をやらかし、いつの間にか関西弁でしゃべってたりもする憎めないキャラクター。この商品はその辺りの表現も抜かりなく、がに股の再現にも力を入れているあたりが何とも頼もしい。

ちょっとだけ気になるといえば、今回はミラーが余剰パーツになっている(付けっぱなしは違和感がある)ことと、個人的に顔が少し小さ過ぎるかな……とも思えること。ただ、そんなのは些末なことです。

まさにホイルジャックの決定版。ホイルジャックというキャラクターが浮かばれる、そんな逸品だと思います。

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